日々の検証記録でお届けしている通り、2026年6月の相場も月末を迎えました。
今回は月間の「検証ログ」として、6月の1ヶ月間における検証結果の数値と、当システムに組み込んでいる「ピラミッディング」の挙動、そして今月発生したインフラ的課題について解説します。
2026年6月の検証結果(確定損益・ポジションの状況)
まずは結論から。6月の1ヶ月間における自動売買システムの確定損益、および月末時点でのポジション状況は以下の通りです。
期間: 2026年6月1日〜30日(21営業日 ※22日は通信エラーにより稼働停止)
確定利益: +6,144 円
含み損益(6/30時点): +2,790 円
保有ポジション: 1329(0口)、1476(186口)

【重要な注意事項】 本システムは利益を保証するものではなく、相場状況によっては長期間利益が出ない、または元本を大きく毀損する可能性があります。上記の確定利益はあくまで検証中の短期間のデータであり、将来の成果を約束するものではありません。
6月は、日経225ETF(1329)が引き続き設定レンジの上限(6,140円)を上抜けた状態を維持したため、約定は発生せず、保有ポジション0口のまま「様子見」の待機状態が続きました。
一方で、5月中旬から追加した逆相関銘柄のJリートETF(1476)がロジック通りに稼働し、細かく上下するボラティリティの中で着実に利益確定(+6,144円)を繰り返しました。稼働銘柄を分散させたことで、一方の銘柄で約定が少ない期間でも、もう一方の銘柄で取引が発生するケースを確認できました。
【運用記録の補足】ピラミッディングによる約定件数と口数の関係
当ブログで公開している日次の約定件数データと、月末の保有口数(186口)を見た際、「買約定と売約定の件数の差分が、保有口数と一致しない」と気づかれた方もいるかもしれません。
これはエラーではなく、システムに実装している「ピラミッディング(ポジションの積み増し)」のロジックによるものです。
当システムは「1回の約定=常に1口」という単純な固定ロットではありません。価格が下落し、設定したグリッドの深い位置(下値)で買い注文を出すフェーズに入るほど、価格帯に応じたリスク配分を行い、平均取得単価を調整するために「1回あたりの発注口数」を動的に増加(ピラミッディング)させるようプログラムしています。
そのため、単純な「約定件数」の引き算と実際の「保有口数」は一致しません。現在の保有残高186口は、このピラミッディング制御が正常に機能し、価格帯に応じて適切にポジションサイズが調整された結果となります。
【検証コラム】API接続タイムアウトの発生とインフラの課題
今月はロジックの検証だけでなく、システムを稼働させている物理的な環境トラブルへの対応も発生しました。22日の朝、自動起動時にkabuステーションへのログインプロセスでエラーが発生し、システムが停止する事象が確認されたためです。
以下は、エラー発生時の実際のシステムログ(一部抜粋)です。
2026-06-22 08:31:00,884 – INFO – GUIによる自動ログイン工程が完了しました!
2026-06-22 08:31:20,884 – INFO – カブステーションAPIの起動を待機しています(最大3分)…
(中略:10秒待機が継続)
2026-06-22 08:35:33,406 – ERROR – APIトークンの取得に失敗しました(タイムアウト)。
2026-06-22 08:35:38,543 – INFO – 内部キル(手段1)で終了しました。
ログ解析の結果、GUIによる自動ログイン(パスキー画面のスキップ等)までは正常に完了していました。しかし、その直後にカブステーション内部でAPIサーバーが立ち上がる際、通信がタイムアウトし、プログラムが安全装置(内部キル)を発動させて自己停止しています。
ログや当時の通信状況を確認した結果、プログラムのバグではなく、ネットワーク回線の極端な帯域逼迫が影響した可能性が高いと判断しています。 当環境ではマンション付帯の共有インターネット回線(非常に低速)を使用していますが、エラー発生時間帯に家族が別室で大容量のゲームデータをダウンロードしていました。起動時の証券サーバーとの同期(板情報等の大量通信)に必要な帯域が確保できず、パケットロスによる極端な遅延が発生したことがタイムアウトの主な要因と考えられます。
自作システムの堅牢性と「ローカル運用」の課題
今回の事象を通じて、2つの重要な知見が得られました。
1つ目は、自作システムのフェイルセーフ(安全装置)の稼働確認です。 マンションの共有回線という環境下でも、通常時はプログラム側の例外処理によって遅延なく稼働しています。今回のような想定外の通信遮断が発生した際も、暴走して不正な注文を出すことなく、フェイルセーフが設計どおりに作動し、安全に停止したことを確認できました。
2つ目は、VPS(仮想サーバー)を用いず、自宅のMini PCを用いた「ローカル運用」におけるインフラ的課題です。 ロジックやプログラムをどれだけ堅牢に設計しても、物理的な通信インフラがボトルネックになればシステムは機能しません。共有回線は同居する家族のトラフィック増大リスクを排除できず、システム停止のリスクが常につきまといます。
回線の安定性は、システムの継続稼働や機会損失の抑制という観点で重要な要素です。今後、より安定した運用体制を目指す上で、安定した固定回線への切り替えも今後の検討課題と考えています。
今回は月間検証ログのため詳細は割愛しますが、Mini PCによるローカル運用や回線構成の考え方については、別記事で運用環境全体を整理しています。
➔ 【検証用】Python×kabuステーションでの自動売買環境構築記録
まとめ
以上、2026年6月の自動売買検証まとめでした。 今月は相場の過熱による待機状態、ピラミッディングによる動的なポジション管理の確認、そしてネットワークインフラの限界によるシステム停止という、多角的な検証データが得られた1ヶ月でした。フェイルセーフが想定通りに作動したことで、ローカル運用におけるインフラ管理の重要性も再確認できました。
来月も引き続き、2銘柄体制のシステム挙動と日々のログ記録を慎重に継続していきます。
【免責事項】 当ブログにおける検証実績やシステムの設定値に関する記載は、筆者個人の単なるプログラミング検証記録および一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の投資手法、システム、証券会社、銘柄等の推奨や投資勧誘を目的としたものではありません。投資に関する最終的な決定は、ご自身の判断と責任において行われますようお願い申し上げます。