【ロジック検証④】現物グリッド運用における「必要資金」と「想定リスク」の算出シミュレーション

前回の記事では、相場から退場しないための「資金管理」の考え方と「現物運用」の重要性について検証しました。 では、実際にシステムを稼働させる前に「いくら資金が必要で、最大いくらの含み損を抱える可能性があるのか?」をどうやって算出するのか。

今回は、私がシステム稼働前のストレステストとして行っている、計算式を用いたシミュレーション方法について記録します。

算出に必要な「3つの変数」

計算に用いるのは、システムに設定する以下の3つの変数です。(当ブログで検証中の「1329 日経平均ETF」を例にします)

  • ① 上限値: 買い下がり(ナンピン)を始める価格(例:6,000円)
  • ② 下限値: 想定する最安値の防衛ライン(例:4,000円)
  • ③ グリッド幅: 何円下がるごとに注文を入れるか(例:100円幅)

まずは「合計何回の買い注文」が発生するか(最大保有口数)を算出します。 式は (上限値 - 下限値) ÷ グリッド幅 + 1 です。 (6,000 - 4,000) ÷ 100 + 1 = 21 となり、一直線に下落した場合は「最大21口」のポジションを持つ計算になります。 + 1 = 21 となり、一直線に下落した場合は「最大21口」を持つことになります。

「必要資金」と「想定リスク」のシミュレーション

21口分のポジションを持つために必要な総資金は、「平均単価 × 最大保有口数」で算出できます。平均単価は「(上限値 + 下限値)÷ 2」です。

▼ システム稼働の最低必要資金 (6,000円 + 4,000円)÷ 2 × 21口 = 105,000円 シミュレーション上は、証券口座に10万5千円の資金があれば、設定した下限値(4,000円)までの下落には耐えられる計算になります。

▼ 想定される最大含み損 4,000円まで一直線に落ちた時の含み損も、同じ考え方で算出します。 一番高い6,000円で買った分の赤字が「2,000円」、一番安い4,000円で買った分の赤字が「0円」となります。 (最大の赤字2,000円 + 最小の赤字0円)÷ 2 × 21口 = 21,000円

システム稼働前に「最大21,000円の含み損を抱える期間がある」と数値化しておくことで、実際の暴落時にも想定の範囲内として冷静にシステムの挙動を観察することができます。

【重要】現物運用における「真の最大リスク」とは

しかし、投資において「絶対」はありません。金融ショックなどで、想定した下限(4,000円)をあっさりと突き抜けて下落していく可能性も十分にあります。

ロスカット(損切り)を組み込んでいない現物運用の「真の最大損失」は、一時的な含み損ではなく「投入した総資金(今回のシミュレーションでは105,000円全額)が回復不能なレベルで目減りすること」です。

だからこそ、当ブログの検証では個別株を避け、市場全体に分散投資される「日経平均ETF(1329)」をメインに選定しています。これは、個別銘柄特有の「上場廃止(倒産)による価値の完全な喪失」リスクを極力排除するための戦略です。

網(グリッド幅)を50円、10円と狭く設定すれば約定の回数は増えますが、その分「必要資金」も「抱えるリスク」も雪だるま式に増加します。本ブログでは、このシミュレーション結果をもとに、無理なく検証を継続できる許容範囲内の設定を探っていきます。

次回からは、いよいよこのロジックを実際のシステムに落とし込む「環境構築編」に入ります!

※免責事項 本記事で解説している計算式およびシミュレーションは、管理人の個人的な検証記録であり、その正確性や将来の利益を保証するものではありません。ロスカットを行わない運用は多大な元本割れリスクを伴います。最終的な投資判断は必ずご自身の責任で行ってください。