前回は、相場から退場しないための「資金管理」と「現物運用」の重要性を解説しました。 では、実際にシステムを稼働させる前に「いくら資金が必要で、最悪いくらの含み損を抱えるのか?」をどうやって計算すればいいのでしょうか。
今回は難しい数式やツールを使わず、電卓一つで計算する方法を解説します。
決めるべきは「3つの数字」だけ
計算に必要なのは、ご自身で決める3つの数字だけです。(当ブログで運用中の「1329 日経平均ETF」を例にします)
- ① 上限値: 買い下がりを始める価格(例:6,000円)
- ② 下限値: 暴落に耐える防衛ライン(例:4,000円)
- ③ グリッド幅: 何円下がるごとに買うか(例:100円幅)
まずは「合計何回の買い注文」が発生するかを計算します。
式は (上限値 - 下限値) ÷ グリッド幅 + 1 です。
(6,000 - 4,000) ÷ 100 + 1 = 21 となり、一直線に下落した場合は「最大21口」を持つことになります。
「必要資金」と「想定リスク」を一発計算!
21口分の資金を出すのに、6,000+5,900…と一つずつ足していく必要はありません。 要するに「平均単価 × 注文件数」を計算するだけです。平均単価は「(一番高い価格 + 一番低い価格)÷ 2」で出せますよね。
▼ 最低必要資金 (6,000円 + 4,000円)÷ 2 × 21口 = 105,000円 証券口座に10万5千円あれば、この設定内なら資金ショートしません。
▼ 想定内の最大含み損 4,000円まで落ちた時の含み損も、全く同じ考え方で計算できます。 一番高い6,000円で買った分の赤字が「2,000円」、一番安い4,000円で買った分の赤字が「0円」ですね。 (最大の赤字2,000円 + 最小の赤字0円)÷ 2 × 21口 = 21,000円 精神的ダメージの最大値は「21,000円の含み損」と事前にわかっていれば、暴落時もパニックにならずやり過ごせます。
【重要】真の最大リスクとは
しかし、投資に絶対はありません。パニック売りなどで、想定した下限(4,000円)をあっさり突き抜けて下落していく可能性もあります。
ロスカットしない現物運用の「真の最大損失」は、含み損ではなく「投入した総資金(今回は105,000円全額)がゼロになること」です。
だからこそ、当ブログのシステムは個別株ではなく、倒産リスクが事実上ゼロである「日経平均ETF(1329)」をメインに選んでいるのです。紙切れになるリスクを極限まで排除するための戦略です。
網(グリッド幅)を50円、10円と狭くすれば利益チャンスは増えますが、必要資金もリスクも雪だるま式に増えます。「資金の余力」と「夜ぐっすり眠れる限界」を天秤にかけ、自分に合った設定を見つけてください。
次回からは、いよいよこれをシステムに落とし込む「環境構築編」に入ります!